さかき脳外科通信

「MRIで異常はないですよー」と言われても(^^;)

患者さんの心に寄り添うということは勤務医の頃から心がけています。
新しい患者さんが来られたときに
「これまでにも頭痛は時々ありましたがこんなに続くのは初めてです。」
とか
「めまいで立つこともできないのは初めてです。」
と言われることが多いです。
患者さんとしては
「今度は今までと違うから何が頭に起こっているかもしれない」
と思い受診される訳です。
当然診察と検査をしてまずは「何か起こっていないか」を確かめます。
原因となる病気が見つかればその治療(勤務医の頃はこれに没頭していました)をすれば症状はなくなるのでいいのですが問題は診察、検査で全く異常がなかった場合です。
「はい、はい、検査で何も異常がなかったのでお薬(多くの方に効くだろうという薬)を出しときます」では何の解決にもならないのです。
患者さんとしては「異常がなかったのはいいけどこの頭痛(めまい)はなぜ?」と思います。
「なぜ起こったか」がはっきりしないで出された薬はおそらく効きませんし効いたとしても必ず再発します。再発すればまた病院に行ってお金を払わないといけません。
どうすれば頭痛やめまいが起こらないのかが大切なのです。
患者さんのお話をよく聞くと個人的にあるいは仕事上で何らかの原因となる出来事や生活習慣がある方が多いのです。簡単には取り除けない原因もありますがそれが原因とわかることでそれにそれに見合ったお薬をお出ししたり多少の対処をすることで症状を抑えたり再発を防ぐことができると思います。
頭痛やめまいの診療ではその方がどういうことで悩んでいるのかどういうことで困っているのかどういう日々を過ごしておられるのかをお聞きすることが大切だと思っています。

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