頭痛・めまい・しびれでお悩みの方

頭痛、めまい、しびれなどの症状について

頭痛について

頭痛は大きく分けると一次性頭痛と二次性頭痛に分けられます。

一次性頭痛はいわゆる「頭痛持ち」の頭痛で主に片頭痛、群発頭痛、緊張型頭痛などが含まれます。二次性頭痛はくも膜下出血、髄膜炎、脳腫瘍などによる頭痛で入院を含む脳神経外科的治療が必要になります。

代表的な一次性頭痛

片頭痛

時々起こり家事や仕事ができないほどになることがありたいていの場合「生あくび」「肩こり」「空腹感」などの予兆がみられます。痛みは必ずしもズキンズキンという拍動痛であるとは限らず発作の過程や時期、年齢などによって変化します。女性の場合にはホルモンの年齢的な変動によっても痛みは変化します。片頭痛と言っても両側が痛むこともあります。

片頭痛の特徴として「家事や仕事ができないほど痛む」「動くと痛みが強くなるのでじっとしていたくなる」「吐き気がする」「光、音、匂いに過敏になる」などがあげられます。片頭痛には通常の痛み止めは効かず片頭痛用の内服薬が必要になります。

群発頭痛

一側性で片方の目の奥がえぐられるような痛みが一定期間に集中しておきます。痛みと同じ側で涙が出たり目が充血したりまぶたが腫れたり鼻水が出たりします。片頭痛が女性に多いのと対照的に20代〜30代の男性に多いことが特徴です。

緊張型頭痛

緊張型頭痛は日常生活に支障を来す程の痛みではありません。長時間同じ姿勢で仕事をしたり運転したりすると筋肉が緊張して起こります。動くことによって痛みが強くなることはありません。睡眠不足や過労が引き金になることが多いです。

片頭痛と緊張型頭痛では効く薬が違うので鑑別はとても大切です。脳神経外科など頭痛の専門医による時間をかけた詳しい問診で正しい診断を受ける必要があります。頭痛で悩んでいるほとんどの人が正しい薬を服用しておらず「何を飲んでも効かない」と諦めているようです。しかしほとんどの頭痛は専門医による正しい薬と生活指導で治ります。是非気軽にご相談下さい。

またいつもと違う頭痛の場合くも膜下出血などによる二次性頭痛であることもあります。歩いて外来に来られた方がくも膜下出血だったこともあります。経験したことがない頭痛を覚えた場合まず専門医を受診することをお勧めします。

めまいについて

めまいは大きく分けるとグルグル回る回転性のめまい、フラフラする浮動性のめまい、さらに目の前が暗くなる失神性のめまいという3つのタイプがあります。

回転性のめまいを引き起こす疾患として脳幹あるいは小脳の梗塞や出血や腫瘍、椎骨脳底動脈循環不全、良性発作性頭位めまい症(BPPV)や前庭神経炎、メニエール病などがあります。椎骨脳底動脈循環不全は脳の後ろ部分を主に栄養する椎骨脳底動脈系の血流が悪くなって起こってくる病態です。脳梗塞の前駆症状として重要で浮動性のめまいを来す場合もあります。

浮動性のめまいには緊張型頭痛や頚椎症に伴って起こってくるもの、椎骨脳底動脈循環不全、血圧の薬の効き過ぎ、心因性などがあります。

失神性のめまいは起立性低血圧、洞不全症候群など心臓疾患、糖尿病性神経障害などによって引き起こされます。

外来にめまいを訴えて来られる患者さんで最も多いのは良性発作性頭位めまい症です。40歳以上の女性に多くめまいは発作性、一過性である特定の頭位をとったときに出現します。夜トイレに行ったときなどに発現しやすく吐き気や嘔吐を伴うこともあります。

めまいを引き起こす病態には非常に多くのものがあります。大切な事は脳幹あるいは小脳の血管障害や腫瘍による「怖いめまい」でないかどうかを神経学的診察とMRIで確かめることです。

しびれについて

しびれも外来で多い訴えの一つです。
しびれには大きく分けると感覚障害と運動障害があります。
感覚障害を意味する「しびれ」にも2種類あって感覚が鈍くなる感覚低下と質的に異なる刺激として感じる異常感覚です。
運動障害を意味する「しびれ」は筋力の低下です。

めまいと同様しびれの原因となる病態には非常に多くのものがあります。やはり脳血管障害や脳腫瘍あるいは脊髄の疾患による「怖いしびれ」でないかどうかを詳しい神経学的診察とMRIで確かめることが大切です。